saya

*ネタバレ注意


父に言われた、ずっと心に残っている言葉があります。
「よう泣く人は、その分悲しさを知ってるんやな」

松本人志氏は、悲しさをたくさん知っている人なのだと
この映画を観て改めて思いました。


「働くおっさん人形」で異質の存在感を放った野見さんが主役ということが
かなり注目されていましたが、そこは見ているうちにあまり気にならなくなり、
「このキャスティングは間違ってなかったのかもなあ」と思えました。

本人の意思とは無関係に、立っているだけで臭いたつ物悲しさ。強烈なインパクト。
俳優さんでもここまでの気を出す人はいない。きっとそこがよかったのかもしれません。


数々の「30日の業」を課せられて、黙々とそれをこなす男。
次第にその業は町内の評判を呼び、道を通るたびに拍手喝采に包まれる。
彼は違和感を少し感じながらも、ただひたすら業を積み重ねる。
しかし、民衆の思い、殿の本音を無視した結末にいたってしまう。

この映画のをストーリーは、お笑いの栄枯彗星を描いているようにも感じられます。
おもしろいと思うことをやりつづけ、ようやくファンができ、よりおもしろいことをしようと奮起する。
でも、鶴の一声でキャリアがダメになることもあるし、世間からバッシングを受けることもある。

表現する場を失ってしまった本人の意志を、誰が掬ってくれるのか。
そんな人、本当に自分にはいるのか。
ずっと松本氏が自問自答している永遠のテーマを扱っているようにも思えました。


松本氏のお笑いには常に残酷さと愛が表裏一体となっています。
(その良い例が名作コント「トカゲのおっさん」だと思います)
隣り合わせの皮膜のわずかな隙間に笑いを見出した。
だから、最後のシーンは笑えるけど泣ける。

3作目で、この世界観をうまく表現できた作品ではないかと思いました。

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