七号病室

 著者・見沢知廉氏の思いがぎっちぎちに詰め込まれた本だと思った。
 それは右翼・左翼運動にとりつかれた人の独特の考え方に、獄中でかかってしまうあらゆる精神病がミックスされた強烈な「思想」で、それが行間に溢れるほど挟まれていて読み続けているうちに吐きたくなる気分になるほどキツい。でも同時にこれだけの我の塊をあらゆる言葉で形、色、匂いを変えてひたすらつむぎだすパワーに圧倒されるが、それを通り越して怖さも感じる。
 2005年9月、46歳で亡くなった見沢氏。16歳で新左翼団体に入ったが、三島由紀夫に影響され新右翼に転向。政治運動のため殺害事件を起こして千葉刑務所へ。その獄中で書いた「天皇ごっこ」はコスモス文学賞を受賞し、出所後は作家として活躍した。この「七号病室」はその受賞作以前に書かれたもの。見沢氏は様々な精神薬も常用していて、その知識もふんだんに見沢氏の作品には活かされている。
 
 私と全く異なる世界で生きてきた見沢氏はどんな作品書くんやろ、というだけの興味本位で見沢氏の作品を読んできたが、それなりに楽しめた。しかしこの本は違う。知らない言葉もたくさん出てくるし「何いってんの?」と理解できないこともあるのに読むのをやめることできなかったのは、殺気めいた気迫に気持ちをぐっとつかまれてしまったからじゃないか、と。
 
 万人に勧められる本ではないけれど、殺気を感じる本というのも珍しい。少しでもその系統に興味のある人にはそれがわかっていただけるんじゃないかと思う。

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