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    東大安田講堂事件、三島由紀夫の切腹自殺―
    全共闘運動もかげりをみせはじめたころ、かけだしの記者と運動に没頭する男が出会う。
    お互いに何かに「怒り」、何かをなしとげたいと考えている二人。
    この曖昧な「何かをしたい」という思いは、
    映画の舞台となった時代の人たちはみんな抱えていたんではないだろうかと思います。

    それゆえに疾走し、傷つき、裏切り、だます。
    身体の底からわきあがる、沸騰するような高揚感を求めて、さらにそれ以上の高まりを
    追いかけていく。

    しかしたどり着いた、そのあっけない終焉。
    祭りの後のような脱力感の中で何を思い、考え、感じるのか。

    手に残ったものは何なのか。


    見ている人たちの中にある、そのような「あの頃」の刹那を思い出し、
    胸を締め付けられる人は多かったはず。
    私もその一人。


    「中二病」というのがあるけれど、「青春病」というのもあるはず。
    理想とスリルを追い求め、暴れて何かを失ってしまう。
    山下敦弘監督は、そういった「青春病」をわずらった男性を描くのが非常に上手です。
    不器用で、アホで、悲しくて、優しい。

    この映画の宣伝では「僕たちは何を信じるのか」というような、重めのキャッチがうたわれていましたが、私からすると青春病の男の物語に見えます。

    もしかすると、全共闘時代すべてが「青春病」だったのかもしれない。

          
          
         
      
          

    アウトレイジ ビヨンド

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      out

      *ネタバレ注意


      前作「OUTRAGE」のまさかの続編 。
      さらに驚くべきは、前作の抗争で死んだはずの大友(ビートたけし)がまさかの復活。
      この展開にニヤついてしまう。嗚呼、映画ってすばらしい。

      前作は「つきぬけた暴力性」が強かったのですが、今回は少しおもむきが違う。
      暴力描写は前作より控えめになものの、こっちのほうが物語の展開としては非常に動きがある
      ように思えました。
      おそらく、前作は男の建前・意地という精神論が根底にあり、それが動力になっていたたのですが
      今回は「組織」というものを前面に押し出している。だから物語として成立するし、動きがあるように見えるのかもしれません。

      音楽も、前作よりもテンションが高いように感じました。
      だからよけい展開の躍動も感じられたのかもしれません。

      でも前作の突き抜けた感はやっぱりいいなあ…。

      不気味な存在・大友をキーマンに仕立て上げ、刑事・片岡(小日向文世)がシナリオを
      創り上げ、実行される復讐劇。
      でも最後はきっちりとタマを取る大友。
      「よっ、タケちゃん!」と声を出してしまいました。


      役者もええ面構えの俳優ばかり。
      1人だけ女性が出ていましたが、あとはぜーんぶコワモテの役者揃い。
      「こんな怖い男の人たちが日本にはまだいるんだ…」ということを感じさせてくれます。

      ビバ!ヤクザ映画!!

            
            
           
        
            

      凶悪

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        凶悪

        この作品を知ったのは、今年9月に公開予定の映画「凶悪」サイトを知ったことでした。
        主役に山田孝之、告発する死刑囚はピエール瀧、そして殺人犯はリリー・フランキー。
        個性的、かつ味のある俳優陣。そして物語の内容の重さ。
        「どんな映画になるのか…しかしとても楽しみ。これは原作読んでおかないといかん」

        「上申書殺人事件」として世間に注目を浴びた実在する事件。
        これを世に知らしめることになったのは雑誌「新潮45」の独占スクープ記事。
        担当した記者と、死刑が確定している死刑囚という立場にもかかわらず獄中から告発をした
        男とのやりとり、取材、そして本書で「死の錬金術師」といわれる男が逮捕されるまでの
        長い年月の経緯を綴ったノンフィクション。


        スクープを取る大変さ、そしてそれが本当にスクープとして世に出せるものなのかどうかの確認、
        記事に掲載するまでの当事者探し、本人に取材できるようになるまでの努力…
        写真週刊誌に少し携わっていた当時を思い出しました。
        筆者は常に「本当にこの告発は正しいのか」「この証言には確証があるのか」、
        そして「世に発表することができるのか」ということを念頭に置いています。
        これをずっと保ちながら、一進一退する作業を繰り返すのは相当の努力と根気が必要です。

        それでも「これは絶対に世の中に公表しなければいけない事件だ」という筆者の正義の一心、
        そして死刑囚の想像を超える「復讐」の1点。
        この相反する2つが結託して、この事件は陽の目をみることになったのです。


        事件の内容は、どこかですでに公開された映画のシナリオじゃないのかと思うほど
        短絡的で残酷。
        いとも簡単に「人を殺す」という選択をし、利益を得る。
        あっという間に金で、全ての悪事を握りつぶされるという事実。


        この事件は現実に起こったものなのだと知って怖いと思う以上に、
        自分もこのようなことをする可能性があり、そして事件に巻き込まれる範囲内の
        世界で生きているということに怖さを感じます。

              
              

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