out

*ネタバレ注意


前作「OUTRAGE」のまさかの続編 。
さらに驚くべきは、前作の抗争で死んだはずの大友(ビートたけし)がまさかの復活。
この展開にニヤついてしまう。嗚呼、映画ってすばらしい。

前作は「つきぬけた暴力性」が強かったのですが、今回は少しおもむきが違う。
暴力描写は前作より控えめになものの、こっちのほうが物語の展開としては非常に動きがある
ように思えました。
おそらく、前作は男の建前・意地という精神論が根底にあり、それが動力になっていたたのですが
今回は「組織」というものを前面に押し出している。だから物語として成立するし、動きがあるように見えるのかもしれません。

音楽も、前作よりもテンションが高いように感じました。
だからよけい展開の躍動も感じられたのかもしれません。

でも前作の突き抜けた感はやっぱりいいなあ…。

不気味な存在・大友をキーマンに仕立て上げ、刑事・片岡(小日向文世)がシナリオを
創り上げ、実行される復讐劇。
でも最後はきっちりとタマを取る大友。
「よっ、タケちゃん!」と声を出してしまいました。


役者もええ面構えの俳優ばかり。
1人だけ女性が出ていましたが、あとはぜーんぶコワモテの役者揃い。
「こんな怖い男の人たちが日本にはまだいるんだ…」ということを感じさせてくれます。

ビバ!ヤクザ映画!!

凶悪

この作品を知ったのは、今年9月に公開予定の映画「凶悪」サイトを知ったことでした。
主役に山田孝之、告発する死刑囚はピエール瀧、そして殺人犯はリリー・フランキー。
個性的、かつ味のある俳優陣。そして物語の内容の重さ。
「どんな映画になるのか…しかしとても楽しみ。これは原作読んでおかないといかん」

「上申書殺人事件」として世間に注目を浴びた実在する事件。
これを世に知らしめることになったのは雑誌「新潮45」の独占スクープ記事。
担当した記者と、死刑が確定している死刑囚という立場にもかかわらず獄中から告発をした
男とのやりとり、取材、そして本書で「死の錬金術師」といわれる男が逮捕されるまでの
長い年月の経緯を綴ったノンフィクション。


スクープを取る大変さ、そしてそれが本当にスクープとして世に出せるものなのかどうかの確認、
記事に掲載するまでの当事者探し、本人に取材できるようになるまでの努力…
写真週刊誌に少し携わっていた当時を思い出しました。
筆者は常に「本当にこの告発は正しいのか」「この証言には確証があるのか」、
そして「世に発表することができるのか」ということを念頭に置いています。
これをずっと保ちながら、一進一退する作業を繰り返すのは相当の努力と根気が必要です。

それでも「これは絶対に世の中に公表しなければいけない事件だ」という筆者の正義の一心、
そして死刑囚の想像を超える「復讐」の1点。
この相反する2つが結託して、この事件は陽の目をみることになったのです。


事件の内容は、どこかですでに公開された映画のシナリオじゃないのかと思うほど
短絡的で残酷。
いとも簡単に「人を殺す」という選択をし、利益を得る。
あっという間に金で、全ての悪事を握りつぶされるという事実。


この事件は現実に起こったものなのだと知って怖いと思う以上に、
自分もこのようなことをする可能性があり、そして事件に巻き込まれる範囲内の
世界で生きているということに怖さを感じます。

レンタルチャイルド

インドの人身売買の実態、さらには「レンタルチャイルド」と呼ばれるインドマフィアの間で
金を手に入れるための道具として扱われた子どものすざまじい生活、人生にせまったフィクション。

どんなに貧困で、周囲から蔑まれても人間は生きると決めたら力を発揮する。
人々が寄り添えばそこには情や愛、責任感も芽生える。
その人々は「仲間」になり、仲間のためになら犠牲もいとわなくなる。

壮絶な実態が描かれた行間には、そのようなことが読み取れます。
あまりにも内容が衝撃的で絶句することもありますが、でも仲間に対する本当の優しさや
生きるたくましさ、どんな状況の中でもプライドを保とうとする尊さがあるということに、
少しほっとします。


インドをはじめ、アジア各地での人身売買は問題として取り上げられています。
こういう事実を知ったとき、どうすればいいのかと少し困ります。
この本を読み終えたときも、自分の感情をどこにおとせばいいかちょっとわからなくなりました。

さらにインドに限って言うと女性差別から非常に多くの、しかも尋常でない性犯罪が起こっていて
このニュースを知ったときには心から腹が立ったし「でもどうすりゃいいんだ」と戸惑いもしました。


知らないよりは良いのかもしれません。
このような事実が世界のどこかではあって、
過酷な中で生きている人たちが多くいるということを
知った上で生きていくということ。

このような事実に少しでも触れられる機会があったときに、
適正に対応できる勇気を出せるようにしないといけない。

何よりこの感情を忘れてはいけないのだと思います。


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